我が日本は、遅ればせながら知財立国を宣言した。知財立県を宣言し又は行政戦略とした地方自治体も増加して来ている。

資源の無い我が国が、グローバル社会の中で競争に打ち勝ち、生き残る道としては知財立国を選択するしか方法が無いであろう。しかし、つい最近までの日本社会では、形の無いものを価値と見ない文化が横行してきた。知識、技術等は「タダ」である。日本と欧米とのその価値観の相違は相当な隔たりがある。ここに来てやっと、形の無い知的財産について大きな価値として、また日本を支える価値として再認識されて来ている。

その知的財産権には、産業財産権と著作権とその他がある。知財の意味は、イコール特許を中心とする産業財産権と理解され、著作権は産業財産権の影に隠れ二次的に存在する感は否めないであろう。国家、行政の知財戦略も、特許庁が先頭に立ち、文化庁、農水省等は一歩遠慮をしている様に思えるのは私達だけであろうか。

私たちは、その国民意識の立ち遅れを取り返し、知財立国を国家戦略とする日本国の一員として著作権学に関する研究を行い、その研究成果を普及し、文化の保護と日本経済社会の振興に貢献したいと願うものである。

さらに、従来の著作権は法学の一分野として著作権法の研究が盛んであったが、私たちは、著作権法の研究のみならず、著作権の評価、流通、運用、管理等をも研究対象とした「著作権学」を体系付け、社会科学としての「著作権学」の確立に資したいと願うものである。

平成17年4月3日

Japan Copyright Academy (JCA)

日 本 著 作 権 学 会 役員一 同